世界最大級の医療機器見本市「MEDICA 2025」開催、医療のデジタル化がトレンド
(ドイツ、日本)
デュッセルドルフ発
2025年11月28日
世界最大級の医療機器見本市「メディカ(MEDICA)」と、併催の医療機器技術・部品見本市「コンパメッド(COMPAMED)」が11月17~20日にドイツ・デュッセルドルフで開催された。医療や健康に関連する多様な技術・製品を紹介する5,675社が出展(注1)し、世界160カ国から約7万8,000人が来場した。出展企業数を国・地域別でみると、中国が1,346社で首位、次いでドイツが815社、米国が390社と続いた。日本からは121社が出展し、出展企業数としては11位となった。
ジェトロが設置したジャパンパビリオン(注2)には医療機器・装置メーカーなど15社に加え、デジタルヘルス分野などのスタートアップ7社が出展した。そのほか、福島県や千葉県、東京都、さいたま市や大田区などの国内の地方自治体もメディカ・コンパメッドに出展し、域内企業の海外展開を支援した。
2025年のメディカは、人工知能(AI)やロボットなどの活用を通じた医療のデジタル化や遠隔治療といった技術がトレンドとなった。新たなウェアラブル端末や病院のデジタルインフラなどが紹介され、革新的なヘルステックの展示や講演に注目が集まった。来場者の約4分の3は企業・組織の意思決定権者だったと主催者は振り返り、メディカとコンパメッドがヘルスケア産業分野の国際的な交流の場として優れたプラットフォームだったと強調した。
会場のメインエントランスの様子(ジェトロ撮影)
連邦経済・エネルギー省の統計によれば、ドイツのヘルスケア産業は2024年に全産業での粗付加価値(注3)の12.5%に相当する4,902億ユーロを創出し、前年比4.7%増となった。年間輸出額は1,751億ユーロ(前年比4.1%増)で総輸出額の9.6%を占めており、ドイツの主要産業の1つとなっている。
次回のメディカおよびコンパメッドは、2026年11月16~19日、同じくデュッセルドルフで開催される予定。
(注1)メディカには4,906社(うち日本からは73社)、コンパメッドには769社(同48社)の企業が出展、とのメッセ・デュッセルドルフ・ジャパンの発表に基づく。
(注2)出展企業の一覧はジェトロの2025年10月30日付お知らせ・記者発表参照。
(注3)産出高から中間投入を差し引いた付加価値の総額で、減価償却費も含めて積み上げ式で算出されたもの。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(ドイツ、日本)
ビジネス短信 060e469dabe31484




閉じる
